探偵事務所に調査を依頼する時に、最初に気になるのはやはり料金なのではないでしょうか?
普段の生活であまりお世話になることのない探偵ですので、
料金の相場が分からない方が大半かと思います。
また、探偵に依頼する内容はデリケートな問題が多く、知人などにも聞きにくい事が多いと思います。
このような理由から、探偵事務所の料金を知っている人は少なく、
高額な料金が請求されるなどの噂話を聞くことも多いと思います。
謎に包まれた探偵事務所の料金相場を紹介していきたいと思います。
探偵事務所の料金についてだけでなく、探偵について詳しく紹介しているサイトがありますので紹介させていただきます。
探偵事務所の選び方 比較ガイド | Detective selection
業者の選び方や悪質な業者の見分け方など、非常に参考になる内容になっています。
探偵事務所の経費の内訳を知ろう
探偵の調査料金を知るためには、先ずはどのような経費が掛かっているかを知ることが大切です。
どのような商品にも原価があり、通常は原価以下で購入することが出来ないように、
探偵の料金にもやはり原価があることになります。
原価と言われてもピンとこないと思いますので、皆さんもよく知っている飲食店の原価を見ていきましょう。
・材料費(主に食材などの仕入れ)…30%
・人件費(社員やアルバイトの給料)…30%
・家賃費(家賃やローン返済)…10%
・光熱費(エアコン・照明・水道・ガスなど)…8%
・その他経費(広告費・通信費・おしぼり・清掃代など)…12%
・利益…10%
飲食店の原価は、大まかにこのような形になっています。
ちなみに、居酒屋で税込み660円の唐揚げを注文した場合には、
消費税の10%を引くとお店の受け取るお金は600円になります。
鶏肉・調味料・油・レモン・キャベツなどを合わせた材料費の合計は180円前後になり、
なんとなく計算が合っているのではないでしょうか?
材料費が180円のものを660円で販売しているので、すごく儲かっていそうな感じがするかもしれませんが、
その他の経費を考えると、利益はおおよそ60円(10%)になることが分かると思います。
もちろん、材料費を上げて人件費を落としている飲食店もあり、
回転寿司やビュッフェスタイルのお店がその代表になります。
その逆に、高級レストランや料亭、温泉旅館などでは、
材料費は安くなる傾向にありますが、料理に手間が掛かっていたり、
きめ細かなサービスに経費が掛かっていることになります。
飲食店と同じように、探偵事務所にも当然原価というものがあり、その内訳は以下のようになります。
・人件費(調査員や営業の給料)…40%
・広告費(インターネット広告など)…20%
・機材費(車両・カメラ・GPS・無線機など)…10%
・家賃費(事務所の家賃など)…8%
・その他経費(機材の開発・通信費・光熱費など)…12%
・利益…10%
探偵事務所の原価は、大まかにこのような形になっています。
飲食店と異なり原材料費がない探偵の仕事ですが、その分人件費多くかかっていることが分かると思います。
飲食店のようにアルバイトで出来る仕事ではありませんし、
調査員を教育するにも時間がかかることになりますので、
人件費が経費の大きな割合を占めることも理解できるのではないでしょうか?
もう一つの大きな経費として広告費が挙げられます。
最近ではインターネットを利用した広告が主流になっていますが、
それなりのホームページを作成する場合には、50~100万円ほどの費用が掛かります。
また、作ったサイトを維持管理するだけへも、年間数十万円が掛かることになります。
ホームページを作ったら広告になるかというとそうではありません。
インターネット上で広告を行う必要があり、その経費が非常に大きなコストになります。
比較サイトなどへの掲載は売り上げの10~15%が広告費になると言われていますし、
検索結果やyahooなどのサイトへのバーナー広告なども大きな経費になります。
また、タレントなどを利用した広告を行っている探偵事務所では、
高額な広告費が掛かっていることは想像できると思います。
探偵事務所では、広告費が占める割合が非常に大きい業界と考えることができます。
当然ですが、これらの広告費は調査料金に含まれることになり、
結果として依頼者であるお客様が負担していることになります。
その他にも、調査を行うには車両やカメラなどの機材が必要になるだけでなく、
事務所の家賃や通信費なども掛かることになります。
様々な経費を考えると、探偵事務所の売り上げに占める利益は意外に少なく、
飲食店と同じく10%前後になると思われます。
実際の調査料金の相場を原価から考えてみましょう
探偵事務所に調査を依頼した場合、どれくらいの料金が掛かるのかを、原価から考えてみましょう。
まず初めに最も大きな経費を占める人件費を見てみましょう。
1日8時間調査員を稼働させる場合には、
人件費を20000円から25000円程で計算している探偵事務所が多いようです。
先ほども少し触れましたが、探偵事務所の仕事は、
アルバイトや派遣社員などが行えるような仕事ではありません。しっかりとしたプロが調査をおこなっています。
探偵の仕事は、1週間や1か月などの短期間で身に着けられるものではなく、
調査員として活躍できるまでには年単位の経験が必要になります。
また、多くのお客様もそれを求めています。
調査力の向上や維持のためには、経験がある調査員であっても、
定期的な研修や講習などのトレーニングは必修になり、
これらの経費が人件費に含まれると考える必要があります。
その他、実際には調査を行うわけではありませんが、営業や事務員の方の給料も当然必要になります。
また、社員で雇用している場合には、労災や社会保険などの経費を負担する必要もあり、
人件費=調査員の給料ではありません。
つまり、日給換算で18000円前後の給料を調査員が受け取っている場合であっても、
20000円~25000円程度の人件費を計算しておく必要がある(営業や事務などの人件費を含めると)ことは理解できると思います。
ちなみに、建設現場などで働く職人の日給も15000円~20000円程と言われていますので、
探偵の給料が特別高額なわけではないことは解ると思います。
1日8時間調査員が仕事をする場合には、実際の調査に当たれる時間は5時間ほどになります。
探偵の仕事内容は調査だけではなく、事前に調査方針の打ち合わせなどのミーティングが非常に大切になります。
出社後、調査に当たるスタッフで打ち合わせを行い、必要な機材の準備や確認を行い、
調査現場まで移動をする必要があります。
また、調査後も調査結果から報告書を作成したり、写真などのデータを保存したり、
調査以外にも多くの業務を行っています。
その為、8時間の勤務時間であっても、実際に調査に当たれる時間は5時間程度と考える必要があります。
つまり、1日5時間の調査を2名で行った場合には、20000円~25000円の人件費が2人分必要になり、
人件費だけで40000円~50000円が必要になります。
その他の経費を細かく算出すると長くなってしまいますので止めておりますが、
1日8時間の調査を調査員2名、車両1台で行った場合には、
一般的に以下のような原価が発生していると考えることが出来ます。
・人件費(調査員や営業の給料)…40%「45000円」
・広告費(インターネット広告など)…20%「22500円」
・機材費(車両・カメラ・GPS・無線機など)…10%「11250円」
・家賃費(事務所の家賃など)…8%「9000円」
・その他経費(機材の開発・通信費・光熱費など)…12%「13500円」
・利益…10%「11250円」
合計で112500円の原価が必要になり、消費税10%を加えると123750円となります。
一般的に探偵に調査を依頼した場合には、1日5時間で120000円前後の調査費用が必要になり、
1時間当たりの調査費用は20000円~24000円あたりが原価ということができるでしょう。
探偵事務所により料金が異なる理由
探偵事務所により、調査料金に大きな開きがあり、戸惑う方も少なくありません。
探偵事務所に関して言えば、「調査料金」と「調査力や対応」は必ずしも比例しないことも戸惑う原因の一つです。
調査料金が高い探偵事務所と安い探偵事務所の特徴を考えてみましょう。
先ず、一番大きな原価である人件費についてですが、この料金は実は大きく下げることができる業者が存在します。
例えば家を建てる時に、日給18000円が左官職人の相場とするとします。
日当10000円で受け持つ職人が中に入るかもしれませんが、ちょっと不安になるのではないでしょうか?
よっぽど仕事がない職人か何か問題がある職人と考えるのが普通です。
ただし、小規模で行っている探偵業社では、
オーナーが自ら営業や調査に入る場合も少なくなく、
この場合は自分の人件費をあまり考えなくても商売が成り立ちます。
実は、探偵事務所の大半が小規模であり、
このようなケースは決して珍しい事ではありません。
大手探偵事務所に比べると、当たりはずれがあることは事実ですが、
信頼できるオーナーの探偵事務所を選ぶことができれば、
低料金で大きな成果を出すこともできるでしょう。
もう一つの大きな経費は、広告費や宣伝費になります。
探偵事務所の経営スタイルは業者により異なり、
広告などでの集客が中心の業者ではどうしてもコストが高くなりがちです。
その反面、弁護士や保険会社などからの紹介や依頼が中心の探偵業社では、
広告費がほとんど必要なく、結果として調査料金が安くなることも珍しくありません。
広告を大々的に行っている探偵事務所は、一見安心できると感じる方が多いかもしれませんが、
基本的には料金が割高になります。
広告費はお客様にとっては、全くメリットがない経費でもありますので、
このあたりの経費を抑えている探偵業社を探すと料金を抑えることができる場合が多いでしょう。
最後にもう一点、料金が異なる大きな理由があります。
実は大手の探偵事務所では、調査を自社で行っていない場合が多いことをご存じでしょうか?
探偵業界にも下請け業者のような構図があり、契約を受けた探偵業社が、
他社に調査を依頼していることが良くあります。
というよりも、すべての調査を自社で行っている業者のほうが少ないのが現状とも言えます。
このこと自体は悪い事ではありませんが、他社に調査を委託する上で、どうしても中間マージンが発生してしまいます。
この中間マージンは、結局はお客様が負担しており、調査料金に上乗せされることになりますので、
料金が高くなる大きな原因になっています。
他社に業務を委託している業者であっても、お客様にはそのことを言わないケースが多いため、
判断が難しい場合があります。
ただし、小規模な探偵業者であり、オーナーが営業を行っている業者では、このようなことは少ない傾向にあります。
追加料金が掛かることがある
今まで紹介した調査料金の相場とは別に、探偵の料金には追加料金が発生する場合があります。
安い料金で契約をもらい、高額な追加料金を請求して利益を上げている、
悪質な探偵業者も少なからずありますので注意しましょう。
探偵事務所の料金には、実際の調査にかかった自費を別途請求することが一般的です。
電車・有料道路代・駐車料金など、必要な経費は調査ごとに異なるため、そのような費用は料金に含まれておらず、
通常は別途必要になります。
市内などで調査が終了する場合には少額である一方、県外など遠方に移動した場合には高額になる可能性があります。
良心的な探偵業者では、実際にかかった自費は、領収書をつけて請求してくれる場合があります。
これらの料金は、依頼者にとっても納得がいく料金であるのではないでしょうか?
問題になる追加料金は、特殊機材代や特殊調査料金などのものです。
これらの料金は、ある意味探偵業者の言い値であり、いくらに設定することもできたしまう点が問題です。
また、どこからが特殊なのかもわかりづらく、悪質な探偵業者が良く使う追加料金の一つです。
それ以外にも、通常の調査で当然必要となる、下見や報告書代などに追加料金が掛かる場合があります。
これらの追加料金は、契約前に説明がされており、どれくらいのお金がかかるのかも事前に説明するべきものです。
追加料金に対するトラブルを防ぐため、明確に説明してくれる探偵業者を選ぶようにしましょう。
まとめ
探偵事務所の料金相場は、調査員2名+車両1台で、1時間につき20000円~24000円が相場になります。
探偵業界の特徴として、「調査料金」と「調査力や対応」などは必ずしも比例しません。
親身になって相談に乗ってくれて、信頼できる業者に依頼すると良いでしょう。
また、傾向としては、大手の探偵や広告を大々的に行っている探偵は料金が高い傾向にあり、
紹介などの依頼が中心の探偵事務所はお値打ちな場合が多いようです。
注意点としては、見積以外に高額な追加料金が発生する業者があることです。
何処までの料金が含まれており、どの様なケースで追加料金が発生するのかを、事前に確認するようにしましょう。
料金よりも結果を出せるかが重要と考える方も多いかもしれませんが、
高額な調査料金を払えば結果が出るわけではありません。
依頼者自身尾の厳しい目で、業者を見極める必要があると言えるでしょう。